『帝国から世界へ 人類真意論』 テキスト1p



1、はじめに
2、超文明思想(分離主義)から大興帝思想(アネッサン  ス)
3、フィリオ宣言
4、オルフド・スティンルス 人類帝国の世界統合
5、バール・アソー 中枢の幽霊化
6、リッグ・タイラー アルフォータ革命 権力の詩
7、ハルティン・ポッポー 権力のサイクル
8、アンドレ・エッツオ なぜヒトは創るのか(追加)
9、イアン・テーベル 振り子と英雄(追加)
10、ナイマン・デンガー 表現と時間(追加)

1、はじめに

 ぼくは幼い頃、ノートブックに自分の考えた架空の年表や王国、戦争のことを書いては捨て、書いては捨て、という刹那的なループを繰り返していました。自分で描いた絵やマンガは友達にあげたり交換しあったりしていたのですが、さすがにこれはコアすぎたし変態扱いされるのが怖くて見せることはできませんでした。しかし、当時ぼくの絵やマンガは友達から評価されていたし、マンガはゲームソフトと交換してもらったこともあるのです。つまり、ぼくの産み出す創造物はゲームソフト一本と等価値だったのだ。レゴブロックや秘密基地のデザインと設計の依頼もよく引き受けていました。おそらく、ぼくがアーティストとして一番輝いていた時代でした。話はだいぶそれてしまいましたが、そのノートブックは小学生の時以来、制作は中断されたままでしたが、大学を卒業してちょっとたった後、再び制作を再開させました。絵を本格的に描くようになりノートブックも自分の核を形成している一部だと再発見したからです。そしてノートブックが七冊たまったので個展で発表しました。まだ歴史は続いているのですが、六冊目のシビリゼーション計画アネッサンス編にこれまでの歴史や文明、ヒト、文化、権力、国家についてアルメキア大陸各国の学者達がウェール王国の貿易都市ウェールに集まり意見を語り合い考える章があります。彼等アルメキア人は永き人類帝国の治世と崩壊二度の分裂大戦腐壊病の世界大流行(大審判)宗教戦争を経て再び壮麗な文明を形成しつつあります。今年、リアル世界でも歴史的な大惨事と混乱がありました。今、大きな不安を抱えつつも冷静に未来・過去・現在を見つめ直し新たな思考を創造する良い機会であると思います。出てくる国や体制は架空のものですが、歴史、舞台は違えど本質は同じです。確かにまわりくどいかもしれません、真意は分かりずらいかもしれません。しかし、そういうのを少しでも感じとってほしいという想いからこの章『人類真意論』を書いたのですが、人がたくさん出入りするギャラリーでの展示だったため、なかなかお客さんがゆっくり見れる状態ではなかったのと、ぼくの字があまり綺麗ではなかったので読みにくかったと思い、一部テキスト化してウェブ上に載せてみました。今回はその人類真意論の序章、人類帝国についてです。

貿易都市ウェール

2、超文明思想(分離主義)から大興帝思想(アネッサンス)       へ

 人類帝国時代、世界の国々は人類王朝という、ある一つの母体の中に組み込まれていた。分裂大戦と続・分裂大戦は、その母体から離脱し、独自の文明世界を築きたい考える帝国の支配者や組織が起こした革命運動といえる。エノジア大陸諸国やウィスタン大陸諸国は人類王朝の本国アルメキアから遠方にあり、直接統治の影響が薄かったため超文明思想のような極端な考えは生まれなかった。超文明思想とは本国アルメキアに近いアルメキア大陸諸国やゴート大陸諸国、北ウィスタン大陸諸国などの直接統治が色濃かった地域の指導者や人々が支配と抑圧を受けていると強く感じ、その統治から逃れ、独自の勢力と文化、領土を保有したいという願いから発生した。アルメキア諸国は独立後、再び他国に支配されないための強力な国家の建設を目指した。それは統制と軍事力、文明力(科学力・文化面)を特化させた国体で超文明思想は大戦後、独立と勢力図の再編が急速化したアルメキア大陸において、より顕著となって表面化した思想体である。エルゼナ神聖帝国は法帝庁を中心とする巨大な宗教圏をアルメキア大陸に築き上げ、強力な勢力を誇り、聖地をヴォオスから国内のミラリアに移し、文化面でも自らが中心であることを誇示したのが、いい例に上げられる。だが、宗教を主体とするアルメキア正教文明は厳しい統制や異端の排除、身分制度の厳格化などで商業・交易などの経済活動が停滞する結果となった。経済力の低下は国家歳入を激減させるため、民衆に重税を課すこととなり、それに反発する者は容赦なく投獄された。だが、そんな鬱々とした閉鎖的な時代と旧態勢に縛られた認識を打ち破る新しい運動が起こった。新生暦728年、ログ公国のキルキスタの学術協会にて超文明思想から決別して大興帝思想という新し運動を提唱した哲学者ロイド・フィリオは時代錯誤であると多くの批判を受けた。特に真教会教圏下であったにもかかわらず、法帝庁出身者の知識人から猛烈な抗議が殺到した。それは第一次・二次原本継承戦争後の混乱と宗教対立、経済の停滞でアルメキア文明全体の文化レベルが退廃しつつあるとし、旧人類帝国時代の文化、芸術、建築、思想をそして何より活力を現代に復活させようとする考えで、人類帝国から決別して超文明思想の影響を強く受け独自の帝国と支配体制の維持に心血を注いで来た法帝庁としては、この懐古主義的な考えだと認めず、激しく糾弾したのだ。また対立関係にある真教会が人類帝国時代に波及していた正テラ教正教書原本版を所有、人類帝国の意思を受け継いぐ新勢力を自認していたため、この考えを認めると自分たちの分が悪くなると思っていたからである。本物の正教書を持たず、未完成の偽の正教書で尚かつ自分たちの都合のいいように勝手に内容を書き足して布教活動をおこなってきた法帝庁を名指しで非難していたフィリオ自身もわずらわしい存在だった。フィリオはキルキスタを去り、かつて人類帝国の帝都だったトノスを目指した。トノスに拠点を置く真教会ソクテス2世がフィリオの大興帝思想に好感をよせ、呼び寄せたからだ。彼の考えはソクテス2世を感心させ、真教会教圏の領内での活動を認めた。大興帝思想はすぐに多くの人々を魅了した。アディナ家当主バラモ・ラ・アディナ画家セ・バッチェリ、建築家カウラ・モッティー、彫刻家レバテン・シェニロ、音楽家ハリモア・カテラン、詩人ロッセニーナ・チェスカ、思想家クリトー・バーモン、特に表現活動で時代を築こうとしていた者からたくさんの支持を得た。当時、トノスには人類帝国時代の遺跡、建築物、書物がほぼ当時のまま残り続けていたために元々、旧時代への見識が深い人間が多く、これらに惹かれ地方から芸術家や学者が集まって来ていてアルメキア最大の芸術文化としとなっていた。彼等はトノスという恵まれた環境下でたくさんの活動と運動を活発化させる。やがてそれらが大きな波となってアネッサンスと呼ばれる歴史的な大運動へと発展してゆく。


大興帝思想初版

3、フィリオ宣言

我々の祖先はかつて人類王朝の
世界一極支配体制に逆らい
自分たちのアルカディア(理想郷)
築こうとした。しかし、大審判、
腐壊病の世界大流行が多くの
人々を苦しめ、繰り返される戦争や
飢餓がさらに犠牲を大きくした。
アルカディアの建設どころか
文明自体が停滞してしまっている。
大戦からの200年間の無秩序、無創造、
無生産な暗黒時代の空白を埋める
べく旧人類帝国の時代、文化を再認識、
再評価し、今をゼロからのスタート
として革新的で自ら賞賛に値する
時代、文明、文化、体系を新しく
創造しようではないか

        
       新生暦728年 
              哲学者ロイド・フィリオ

ロイド・フィリオ



4、オルフド・スティンルス 人類帝国の世界統合

オルフド・スティンルス
 偉大な哲学者ロイド・フィリオの大興帝思想の一文の中に我々祖先はかつて人類王朝の世界一極支配体制に逆らい自分たちのアルカディア(理想郷)を築こうとしたと書いてある。つまり300年前、人類帝国統治下の世界は人類皇帝と太老会を最上層として帝都トノスを根城とする超巨大官僚機構がアルメキア大陸、ゴート大陸、ウィスタン大陸、エノジア大陸を支配下におくピラミッド型の体制だった。人類帝国はおよそ1800年前のエル=ヴァ帝国時代から領土的に膨張をはじめ1000年の時をかけてゆっくりと拡大していったのである。1800年前の古代世界は多くの文明が発生しては自壊したり、他民族の侵入を受けたりしては滅ぶような過酷で未成熟な世界だった。エル=ヴァ帝国を建設したエル族もバークー陸道の小文明を滅ぼし帝国を打ち立てた征服王朝としてスタートした。彼等は自国の領土が拡大してゆくにつれ、当たり前ではあるが少数派となっていく。支配領域も増えれば支配する民族も増えるからである。しかし、占領した地域の旧支配層や権力者、有力商人を帝国政府に取り込み国政に参加させることで反感を取り除き少数派のエル人は大多数の様々な民族をうまくまとめ上げた。また帝国軍は占領地のインフラ整備や都市建設、蛮族の侵入を防ぐ役目を負っており、最初は警戒していた民たちも生活の安全を保障してくれて建設的な活動をしてくれる帝国軍を徐々に受け入れる態勢をとっていったのだ。多くの人々が人類帝国とその祖エル=ヴァ帝国を専制軍事帝国と思っているが、それは半分間違っている。たしかに帝国は同化を受け入れず叛旗を翻す者、離反しようとする者に対しては徹底的な破壊活動をおこなったが、反面領土の拡大と平行して文明社会の拡充も進み、アルメキア大陸、ゴート大陸、ウィスタン大陸の三つの大陸が統合され、人の交流、文化の交流、経済の交流が国際規模で活性化し、世界は飛躍的に進歩、発展した。もしエル=ヴァ帝国がバークー陸道にとどまり続け、四つの大陸が統合されず分裂したままで各文明が衝突を繰り返し続けたのならば人類の進歩は1000年遅れていたであろう。人類王朝の人類文明への恩恵は絶大である。理想郷は人類帝国下の世界だった。人類帝国に不満を持つ者は自分の帝国という理想郷を欲していた権力者、野心家であって万民が帝国打倒を望んでいたわけではない。

人類帝国の統治システム

人類帝国最盛期の最大勢力範囲

5、バール・アソー 中枢の幽霊化

バール・アソー
 人類帝国の興亡の人類史における重要性は十分に理解している。しかし、最近アネッサンス運動の風潮か人類帝国の実体を知らず表面的な栄華や芸術、ファッション、神秘性のみをただ賞賛するノスタルジックな流行を追い求める者で溢れかえっている。彼等は歴史を知らず学ぼうともしない。それもまたいいだろう、愚衆とはそういうものだ。しかし、少なからず本質を知ろうとする者もいる我々は彼等のような者を導き世界に問い続けなければならぬ。人類帝国のおよそ500年間に渡る世界統治は政治的、経済的に成功したと言えよう。だが本質的、文明的には失敗しているのだ。彼等は結局、古の帝国、今は亡き文明にすぎない、分裂大戦、続・分裂大戦は帝国を否定した勢力が掲げおこした大戦争である。つまり、時や人、命運は彼等を認めようとはしなかった。人類帝国は必要とされなくなったのだ。私はこの戦争を史上もっとも正当性のある独立戦争だったと考える。独立の旗手たちは帝国の偉大さ強大さは知っていた、その恩恵も。だが帝国の統治は長過ぎたのだ。独立の旗手たちは長い統治の中で徐々に「何ものでもない何かその他大勢(帝国民)にいつしか完全に取り込まれる。」ことを本能的に恐れたのだ。いつしか形骸化した装飾化した幽霊のような主人たち(人類皇帝、太老会議員、官僚)に連れ去られることを。世界統合は時期早々だった。限られた一族、権力の支配では人類文明全体の発展と幸福は望めない。人種を超えてもっと多くの人々、人種が政治に関わることの出来る技術や体制、大規模な人の交流が世界規模で完成するまで待たなければならない。都市国家や一部の地域での民主制とは訳が違う。この次におこる世界統合はそれを完遂させて成功するかもしれない。いつかは分からないが、かなり未来の話しだろう。しかし、二度目で失敗したら三度目はないかもしれない。失敗の歪みは人類帝国の破綻とは比較にならない。


6、リッグ・タイラー アルフォータ革命 権力の詩

リッグ・タイラー
 多くの知識人達は帝国の崩壊と新世界の形成の理由を分裂大戦だけに求めすぎている。帝国のほころびはアルフォータの叛乱から表面化してきていたのだ。アルフォータの叛乱は帝国同盟君主国アルフォータでおこった圧政に苦しむ人々がおこした解放運動で運動自体は帝国軍によって鎮圧されたが。後に思想家ドラゴ新世界旅団が生まれ帝国の世界一極支配体制に対する疑問符が世界に拡散して行った。たくさんの知識人や活動家、貴族、商人、宗教家がアルフォータの叛乱を口火に帝国の中枢太老会でこれまでの体制に異議を唱えはじめ、太老会紛争も勃発したが、この二つの叛乱は帝国にくじかれたのだ。が、帝国と戦うことでしか自由を勝ち得ないと確信した人々は地下に潜り運動を続けることを決めた。これらが後の独立戦争につながった。この一連の運動は人々の意識、認識を改革した。人々は支配されることを嫌うというが、支配されることに慣れてしまう場合もある。諦めだ、それなりに生きて行けるという状態が支配者の存在にも圧政の実態にも疑問を持たない無感覚な人々が増えたのだ。思想家ドラゴは命麗盟朝皇帝文旗にこう説いた「今世界は人類王朝を中心とした一元的な構造になっている。一元的な世界の維持は皇帝にとって都合がよい。なぜなら多様な概念の誕生は多次元的な領域を生むからだ。つまり、帝国とは違った権力の発生、文化の発生、意識の発生、自由意志の発生は支配するにあたり不都合だからだ。彼等は世界支配を無理に実行している、身勝手なプライド、世界の王者という傲慢な態度。だがその支配が長過ぎた。長過ぎるあまりに気付いてしまったのだ。自由であるべきだと、自分たちで新しいことをするべきだと。私は世界はもっと多くていいと考える。真に陛下が治める国を持つべきです。私は祖国がほしい。同盟君主国、属州同盟国、属州、植民地などと呼ばれない独立国に帰りたい。だから私は戦っているのです。」と、この発言から読み取れることは今現在のように複数の国がひしめき合い自国の独立性、自立性を意識している状態とは違い、当時世界はよりフラットだった未開地という意味でも。私は民族という概念もなかったと考える、民にとって領土、領域の争いは権力者同士の覇権を巡る小競り合いに過ぎなかった。権力者は自分の領域に暮らしている人々を兵士として集め軍隊を作り税を納めさせ、大まかな支配領域を決めた。そこには民族といわれるような区分はない、肌の色、生活習慣が違っても同じ兵士として扱われた。人類皇帝はその領域に暮らす民にではなく総括している主人である権力者に対して戦いを挑み次々と服従させ同化していった。その領域の民は主人が敗北し、戦う理由がなくなったため従う。まるで自然の流れの様に。民は戦うことを嫌っていた、田畑を耕し、家族を養う方が大事であって、そっちの方が戦いであったのだ。彼等はただ生活することが戦いなのだ。神聖大州洋同盟諸国及び第三世界連合諸国の盟主たちは民に戦う理由を与え立ち上がらせるために、思想家ドラゴの思想を利用、民族という概念を作り上げた。「我々は敵とは生活習慣も、肌の色も、言葉も、住む家も、使う食器も、食べ方も、ハグのしかたも違う。何から何まで全部違う。ゆえに人類帝国から独立し、同じ者同士だけで平和に暮らしたいという想いは一緒だ。だから共同戦線を張っている。そうあるべきなのだ。そうありたいと思わないか?」と。先ほどから言っていると思うが分裂大戦と続・分裂大戦は人類帝国というある一つの母体に組み込まれていた王たちが、その母体から離脱し、自分がほしい領域の人々に民族と名づけた足枷をハメて独自の権力体制とそれを維持するための搾取システムを築きあげたかったのではないかと疑っている。超文明思想など戦後の気運で出て来た根の葉も無い思想だ。ただ搾取して自ら財を成すためのまやかしなのだ。法帝庁真教会は人類帝国の支配システムを縮小化させただけだ。

法帝庁
真教会

7、ハルティン・ポッポー 権力のサイクル

ハルティン・ポッポー
 タイラー氏は支配を搾取ととらえ悪の根源であると言っているが、私はより支配というものを構造的にとらえている。法帝庁や真教会、人類帝国にしても強大な組織の中では無数のエゴイズムが渦巻いていのが常だ。だから常に権力のトップによって国が腐敗する訳ではない。むしろ中央部分から腐っていく場合が多い。軍部による謀反か、中央官僚同士の権力闘争による行政の機能麻痺、地方役人の横領と農民への法外な税の取り立てによる民の叛乱。そこへ外部からの侵略というパターンが、かなりの例である。つまり組織をうまく運営し、部下をコントロールし、巨大化する組織を守るための広域防衛体制と広域管理監視体制を築かなければならないが、これは現時点での技術では至難の技だ。だいたいが息切れをおこしてしまうものだ。組織を一元化すれば管理、監視は楽だが、狭い領域にとどまり国力の拡大も資源の獲得も出来ず結局国内の少ないパイを奪い合う内ゲバ争いで国内が乱れ強国に滅ぼされる。広大な国土と人口、多民族、多様性を支配しようとすれば、様々な事項に対応するため組織を細分化しなければならず、広域防衛体制と広域管理監視体制が弱体化して最高権力者と同等の力を持った強者や連合体が地方に突発的に生まれる可能性がある。広大化、細分化しすぎて足下も遠くも見通せなくなり権力のバランスを失うのだ。そして結局滅亡する。これだけ聞いてると、たとえ強大で堅固な帝国を築いても、時が物をサビさせるように衰え崩れ去る運命にあるのだと改めて思い知らされる。それもそうだ、人がどんなに健康に気をつかい栄養のあるものをバランスよく取り続けても、毎朝のマラソンを欠かさずやっても、酒やタバコをやらなくても、寿命は普通に生きて来た人とそんなにかわるだろうか、むしろ唐突な病気や事故で不運にも命を落とすことの方が多いのではないだろうか。一時の健康志向は一時的に体調をよくするにすぎない。じゃあ人は結局一つ覚えのバカみたいにどうなるとも分からない不条理な未来と先人が作り上げた偉大な時代を後世の愚か者がぶち壊す事を分かっていても刹那的な運命に身を委ね、またそれを繰り返し続けなければならない哀れな生き物なのだろうか。やはり人間は無限地獄のような呪われた大地に産み落とされた罪人なのだろうか。いやそうではない、繰り返すことが重要なのだ。ある時代、ある権力機構が、その広大な領域に根をはる、その根はいつしか衰え無くなる。その大地は荒れ果て、しばらくは暗闇の大地となる、だが、光はいつか見えて来る、光に人々は気付き暗闇を抜け出すだろう。そして、そこに出来た権力の空白が新たな時代と力を呼び込み再び光輝く大地に若く逞しい根がはるのだ。土も虫も空気も入れ代わり新しい生が栄える。歴史的に見れば人は権力を継承し続けて来た。そこに民族も階級もない。歴史という流れのシステムを作った人類はその歯車が壊れたり止まれば修復するか取り替え、また大きなパワーを形成し流れを作ろうとする。そして、権力というものが歯車を動かす潤滑油となるのだ。