新しいステイトメント


作品のコンセプト文を書いていたら前のステイトメントよりいいのではないかと思い上げてみました。自分の想像・創造のルーツを文章化するのは必要な事だけど難しいな、けっこう恥ずかしいし。


<アーティストステイトメント>
 
 新世紀に突入する前、何も分からない知らない少年だった
僕は純粋無垢に明るくエンターテイメント溢れる未来を想像していた。しかし、新世紀における現実は不条理で不安定で混沌とした世界だった。成長し冷静になるにつれて目を瞑りたいことばかりが増えた。だから僕は創り上げたいと思った。知的でスリリングでエンターテイメントに溢れた崇高で堅固な世界を。絵画という武器を使いあらゆるものを吸収し、掘り下げ自己のデタラメな世界を拡張現実化させて世界機構という強大なステージにコミットする。そして、コンテニューなど一切ない難攻不落のステージを縦横無尽に闊歩する強いプレヤーになろうと。

 今思えば僕の想像・創造行為は歴史が好きで架空の世界地図・年表・王国を紙に描きまくり、当時ビデオゲームが禁止されていたため友達の家に行ってはいろいろなゲームの攻略本を借りキャラクターやステージを模写して紙の上で一人プレイしていた時から、異国の暗く太古の巨大な木々が生い茂ったRPG世界のような森を父親と冒険したあの時から、秘密基地を仲間と村のいたるところに設けては隣村の子供に攻められていた幼い頃のあの時から、高校時代自分はこの教室の主人公にはなれないという失意と混乱から空想(エンターテイメント)の世界に耽ったあの時から今日まで脈絡と続けられて来ました。

 それが僕の偽りのない現実であり創造の核である。それが不条理な世界を生き抜くための道標に武器に成り得るのかもしれないと思ったのはキャンバスという支持体に絵を描き始めたつい最近のことです。ルールは従い学びつつもあがなう。正と負という概念は突き詰めつつも放棄する。僕が常にリスペクトし続けるエンターテイメントの美学とは底知れぬ凶暴性と希望である。